すごいよ母さん!

先日、子供の習い事の帰り道、子供の泣き叫ぶ声が聞こえてきました。
こちらに向かって、赤ちゃんを抱っこしたお母さんと、
その後ろを泣きながらついてくる年少さんとおぼしき男の子。

「ママ抱っこ~~!!」
どうやら男の子は抱っこしてほしいようです。
午後6時過ぎ。
会社帰りであろうスーツ姿の母親は、肩に会社カバンをかけ、手には子供の手提げとリュック、抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこしています。
もう一人抱っこするなど無理なのは誰の目にも明らかですが、相手は小さな子供です。
母親が抱っこ可能な状態かなんて気にしません。
「抱っこ、抱っこ、抱っこーーー!!!」
はじめは「頑張ろう、もう少しだよ。」などと言葉をかけていた母親ですが、
次第にイライラを募らせキツイ口調になっていきます。
「いい加減にしなさい!今は抱っこできないの分かるでしょ!?」
「うわわーーん!!( ノД`)…」


思わず数年前の自分の姿を重ね合わせました。
次男が生まれた時、長男はまだ2歳半。
2人とも小学生になった今でこそ、こんな駄文を書く余裕が出てきましたが、そこまでの道のりは苦しいものでした。
子供がこんなにうるさく、理不尽な要求ばかりする生き物なんて、子供を持つまで全く知りませんでした。


実は、私は夫の転勤でシンガポールに3年間住んでいました。
来星したのは長男1歳半の時。
滞在中に次男を出産しました。
まだまだ手のかかる長男と赤子を抱え、私は優雅な駐在生活とはかけ離れたそれは大変な日々を送りました。
なんせ頼れる身内が誰一人いない異国の地、産後1か月間順番に母と義母に滞在してもらい助けてもらいましたが、
その後は戦力外の夫と共に、その日を無事に終わらせることだけ考えながら過ごす日々でした。

ご存じの方も多いかと思いますが、シンガポールでは多くの家庭がメイドを使っています。
それも住み込みの形です。
女性もバリバリ働いているから、と思っていたのですがそうでもないようです。
いわゆる専業主婦家庭でもメイドがいるケースを多く目にしました。
生活費がベラボーに高いシンガポールですが、どうやらメイドは比較的安く雇えるようです。

ある日、はす向かいのシンガポーリアンママさん(専業主婦)に言われました。
「どうしてメイドを雇わないの?
 赤ちゃんの面倒みて、買い物もして、食事の支度も掃除も洗濯も!
 あなたいつ寝ているの?
 You are supper mommy ね!」

「日本じゃこれが当たり前だよ~」、
などとつたない英語で答えながら、ちょっと誇らしいような悲しいような複雑な気持ちになりました。
随分考え方が変わってきましたが、日本にはまだまだ理想の母親像なるものが幅をきかせているように思います。
育児も家事もきちんとできて当たり前。なんなら仕事だって。
母親なんだから。

そんなことありません!
母だって一人の人間です。
我慢ばかりしないで、辛いときは辛いと言っていい、息抜きだって必要です。
母親の笑顔が最後は子供の笑顔につながります。
日本の母の皆さん、もっともっと自分のこと褒めてあげてください。
我らsupper mommy軍団です!

 

それはそうと、
せっかくそんな選択肢があるなら正直メイドを雇ってみたかったです。
住み込みまでいかなくとも通いの形もあります。
しかしそれが出来ませんでした。
なぜなら
私の英語が未熟だったから・・・

一度試しに2時間のお掃除メイドを頼んだことがあります。
何をどう説明するか頭を悩ませ、終わった後はゲッソリ疲れてしまい、これなら自分で掃除した方がいいと思いいたりました。苦笑
掃除一つでそのありさまなので、メイドに子供を託すなど夢のまた夢です。

もしも、
もしも私が英語に堪能だったら、
もっともっともーっと楽しい駐在生活を送れたのでは・・・・
帰国後、この悔しい思いに体震わせ英語の勉強をやり直し始めました。
英語についてはまたおいおい書きたいと思います。

 

疲れ切った険しい表情の母親と、泣きながらついて行く男の子とすれ違いながら、
思わず心の中で
「頑張れsupper mommy!!」と叫ぶ私なのでした。

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